連載「まちのプロジェクト基金ができるまで」その1.北海道NPOファンドの新しい助成プログラムを作ろう!

2019年1月31日

佐藤綾乃・北海道NPOファンド運営委員/NPO運営サポートあの屋代表

「あの屋」では、 ”本来のミッション”に集中できる環境づくり』をミッションに、NPOのバックオフィス支援など運営改善の「きっかけづくり」をお手伝い。旭川を拠点に、活動を展開中!

認定NPO法人北海道NPOファンド(以下、ファンド)では、これまでに『市民活動支援基金』など、個別の団体への事業助成を長年行ってきました。正直なところ、専従スタッフの不在やファンドとしての資金調達力は高くはなく、このままでは、「北海道の市民団体の資金調達を支援する」という団体としてのミッションを果たせないのではないか……。そこからの一念発起で、2016年に認定NPO法人格を取得し、これまでの助成事業を再編する形で、『北のNPO基金』を設立。そして昨年、NPO法人市民社会創造ファンド「2018年度市民ファンド推進プログラム」の助成を受け、10月から新しい助成プログラムづくりを開始しました。現在、モデル事業として第1期のプログラムをスタートさせています。

これまでに行ってきた助成プログラムは、個別の団体への資金助成がメインでした。大規模でわかりやすい成果を提示できる団体や取り組みだけではなく、地域の中の地道な活動への資金助成にも、それなりの価値と役割があります。
しかしながら、北海道の広域性や高齢化や貧困等『社会的課題』と称される諸問題においては、成果の広がりの点で不足しているのではないだろうか。それぞれの地域の草の根的な活動の役割は大きく、ファンドとしてその取り組みを積極的に応援するための助成プログラムは作れないだろうか。地域の中で埋もれてしまっている活動に、新たな支援者や協働のかたちを見出だせるきっかけを作れないだろうか。そんなモヤモヤを晴らすために取り組み始めたのが、この『まちのプロジェクト基金』です。
そして、もう一つの大きな課題が、他の都府県には無い「広域性」です。北海道を1つの単位で捉えて、本当にその課題は解決するのだろうか。札幌で行われている取り組みは、他の市町村で本当に通用するのだろうか……。それならば、この「広域性」を活かすことを考えよう。なんとも前向きな発想で、新たな助成プログラム開発をスタートさせました。

『まちのプロジェクト基金』は、
1)寄付募集にチャレンジすることによる組織基盤強化
2)自分たちの地域の課題への取り組みを、地域で応援するしくみづくり
3)自分たちの地域の活動を、地域の中間支援組織が支える伴走支援の体制づくり
という、3つの大きな目的があります。
そして、北海道NPOファンドが、「NPO越智基金」として設立されてから20年。多くの協力を得て始めたこのチャレンジを、これまでの活動を振り返り、北海道の一市民ファンドとしての役割を見つめ直す機会としたいです。