2021年越智基金・市民活動支援基金助成に寄せて 選定委員長 田口晃(NPO推進北海道会議代表理事)

2021年7月1日

越智基金による2021年度の支援について

◆2021年選定委員長 田口晃(NPO推進北海道会議代表理事)

コロナ・ウィルス禍の中でいかがお過ごしでしょうか。諸事制約され、不便なだけでなく、色々困っている方も少なくないようです。ただ、これまでの生活を見直して、疫病との付き合い方を含め、色々考える機会にはなっていますね。さて、今年も越智基金に申し込んで頂く季節となりました。従来越智基金ではNPO法人もしくはNPO法人化をめざすグループを重点的に支援してきました。ところが、NPOを普及させる私達の活動が公益法人改革に拍車をかけ、行政の許可を必要としない一般社団法人という枠組みがつくられ、それを使った市民活動も随分見かけるようになりました。さらに法人格を持たないいわゆる任意団体もさまざまな分野で活躍しておられます。(任意団体という言葉は実はvoluntary associationの訳語なのですが、ミッションを持った人々の自発的な結社という語感が、日本語では弱くなっているのは残念なことです。)NPO、一般社団、任意団体などによる多種多様な市民活動というものが、政治社会、経済社会とならぶ市民社会を形成しているわけです。越智さんが遺贈というかたちで残してくださったときには先駆的だった寄付というお金のまわし方も、今では市民社会の潤滑油として定着してきました。そこで、今回は小規模なグループも含めて、不自由、不便と戦っておられる多くの方がたを広い範囲で支援して行きたいと考えています。私達の、そして皆さんの非営利市民活動を活発にしてゆけば、質的に豊かな個人生活と市民社会を展開できるようになるでしょうし、そうすることは人の生き方の多様化の方向にもつながることでしょう。もちろん市民社会にとっては個人の基本的平等・対等が大前提です。多様な活動の仕方とお金のまわし方を工夫し、コロナ・ウィルスに負けない、明るい展望を開いて行こうではありませんか。


越智基金・市民活動支援基金