取り組み名:道内・全国各地の共生社会を目指す活動をしている団体の視察

自身の目標である誰もが過ごしやすい居場所づくりを行うために、道内・全国各地ですでに共生社会や地域密着の活動している団体を視察し、そこで得られたノウハウを代表を務める団体ユアセルの活動に取り入れ、何歳になっても自分らしくを実現できる居場所づくりに取り組みます!

助成使途:視察旅費(道外1か所、道内2か所(予定))、視察先への謝礼

インタビュー:高橋智美さん(NPO団体ユアセル 代表)


■現在の活動について教えてください

SNSで集った仲間たちで活動をスタート

2022年6月に任意団体「ユアセル」を立ち上げ、何歳になっても自分らしく過ごせるまちづくりを目指しています。活動内容は、高齢者向けの生活支援サービスと、多世代交流で地域の人たちと関われるようなイベントを開催しています。町内会活動のお手伝いなどボランティア活動を中心に、地域の課題解決をしていくことも目標としています。
現在はボランティアを含め18名程で、高校生から50代と幅広い層の人たちと一緒に活動しています。仲間たちは全員SNSで集まった人たちなんです。私が「こういうことをやりたい」ってSNSに投稿し、「やりたいです!」って声をかけてくれた人たちの集まりなので、まだ実際に顔を合わせたことのないメンバーもいます。最初の仕組みづくりはコアメンバーの3人でしたが、それもSNSで集まったメンバーです。
あと、個人的には、LGBTQなど性的マイノリティの人たちの支援活動も行っています。

生活支援サービスの利用者さんの発掘は、地域包括など自治体にあいさつに行ったり、ケアマネージャーさんのところや居宅介護事業所などを回っています。札幌市内で同じようなサービスをしている団体も訪ね、そこで受けきれない利用者さんを紹介していただいたり、私が作業療法士をしていることで福祉関係の人たちとも繋がっています。

 

■活動を始めるきっかけは?

高齢者の元気を若者にも伝えていきたくて

作業療法士の経験も生かし、自分に一番できることは何だろうと考えたときに生活支援でした。子どもたちがいろんな経験をすることができる場所づくり活動もしていきたいのですが、まずは福祉の分野として高齢者へのサポートをしよう、高齢者が生き生きと暮らせるまちになったら、若者も自然と明るくなるだろうと思いました。

■小林董信基金の使途(活動内容)を教えてください

どんな違いがある人も集える、居場所づくりのために

拠点としての居場所づくりをするための視察に行かせていただきます。
LGBTQに関わる活動をしている中で、いろんな人たちがいること、福祉の関わりでは、いろんな病気がある人もいて、人とのちがいにより怖くて壁をつくってしまい、繋がりを持たない人が多いと感じていました。その壁をとっぱらうためには、日頃からいろんな人たちが関われる居場所をつくりたいと思っていたとき、栃木県に私が目標にしているような居場所づくりをしているところがあることを知り、行ってきました。やはり実際に行ってみて魅力を肌で感じた体験がすごく良くて、視察することの大事さを実感し、他の団体も訪ねてみたいと思いました。

視察先は山梨県と道内を予定しています。山梨は、開放された一軒家におばあちゃんたちが集まり、料理をして一緒にお昼ご飯を食べたり、子育て中のママたちが集まって一緒に活動しているところです。道内は介護系の事業所で、利用者さんが利用する立場だけじゃなく、できることで支える側にもなるといった関わり方をしているところなので、ぜひ行ってみたいと思っています。

 

■1年後、自分自身の活動に対する希望はありますか?

居場所づくりをスタート!

できれば居場所づくりを開始できるようにはしていきたいなと思っています。そのためにも、いろんなところを見て、自分たちが札幌でできることを考えながら活動をしていきたいです。

 

■現在、活動を進めるにあたって課題に感じていること、不安に感じていることは?

活動していくための知識がなさすぎて…

ボランティア活動や、NPOのことを知ったのもユアセルを立ち上げる少し前で、今まではそういった活動があるということを気にしない人生だったので、その知識やどうやって活動していくのか、どう団体を運営していくのかが全くわからない状態だという不安はあります。ですから、頼もしい人たちにこれからサポートしていただけることがすごくうれしいです。
サービスの依頼は月に10件あるといいほうで、売上はほとんどなく、スタッフはボランティア状態です。居場所づくりとなるとお金も必要なので、いろいろと相談させていただきたいです。

 

■小林董信基金に対する期待

若者の育成とサポートが頼もしい

若手をサポートしてくれる内容だったことが、今の私にぴったりだ!と思いました。20代の私にとって人材育成をしてくれるところにひかれました。いろんな学びをサポートしてほしいと期待しています。

 

■寄付者へのメッセージ

大好きな北海道で、若者たちへと繋ぎます

この基金があったからこそ、自分一人の力では行けなかったところに行けて、新しい挑戦ができることをとてもうれしく思っています。助成を受けて学んだことを、しっかりと北海道に還元したいと思います。
私は北海道がすごく好きなので、みんなが何歳になっても暮らしやすいまちになるような活動に繋げていきたいと思っています。また、私の活動を見た10代、20代の若者たちが、何か自分もやってみたいなって思ってもらえるようなところまで繋げられるように頑張っていきたいと思っています。

 

◆伴走者より

小林基金個人助成にかける思い

四半世紀前、私は地域メディア設立の夢を持ってNPOの世界に飛び込みました。その頃、阪神淡路大震災で被災した神戸で多文化共生のコミュニティFMを始めた人たちが、アメリカ西海岸市民メディア視察ツアーを企画したのを知り、「これ参加したい」とつぶやいたら小林董信さんが「行っておいで」と10万円を支援してくれました。そこで得た感動、知見、そして人の縁がその後の私を支えてくれました。視察を通じて同じ志を持つ仲間に出会えることは大きな財産となるはずです。

伴走者:加藤知美(NPO法人北海道NPOサポートセンター 理事/認定NPO法人アルテピアッツァ美唄 事務局チーフ)