◆取り組み名:膠原病の子どもの交流およびWebサイト「膠原病の子と家族のためのページ」作成
希少疾患である小児膠原病など、慢性疾患をもって生きる子どもたちが、よき理解者に恵まれ、自身の可能性を信じて成長をしていくことを願い、また疾患が何らかの障害にならない豊かな社会づくりを目指します!
◆助成使途:希少疾患である小児膠原病を抱える子どもたちが、日常生活に気を付け、治療を頑張り、幼稚園や学校生活を過ごしていることを患者や家族同士も知り合う場となり、さらに社会が知る機会となり、講演病などの慢性疾患を抱えながら生きている人への理解を促進するため、Webサイト「膠原病の子と家族のためのページ」を開設するための費用
その他、会の周知費用、交流会(オンライン&リアル)の開催などに使用予定
◆インタビュー:佐久間 しほこさん(北海道小児膠原病の会)
■現在の活動について教えてください
日常生活に必要な情報の発信と話し合いの場の提供
膠原病のサポートをしてくれる機関や団体、疾患に関する医療講演会などの情報をホームページで紹介しています。またオンライン交流会と無料相談をしています。交流会のテーマは、膠原病で大切なことなのだけど医師に細かく聞けないこと、日常では困るような身近なことです。たとえば、膠原病の子は紫外線対策が必要なのですが、小児科の先生からは日焼けしないようにねの一言で終わってしまうことが多く、メイク落としを使える年齢かそうじゃないか、男の子か女の子か、学校で塗り直せる場所があるかないかなど子どもや学校によっても違いがあるので、そういったことを気楽に話し合える場にしています。
会には、小児科医や小児専門ナース、私たち役員のほかボランティアスタッフ10人程が所属。パンフレットの配送作業やオンラインに興味ある人、病気のことを知るために勉強してみようかなという人、病気の子どもが来た時のためにと参加している保育士さんなど、関わり方はそれぞれです。
■活動を始めるきっかけは?
わが子からのひと言
うちの子が小学生で発症したとき、一緒に入院していた方と入院時は励まし合いながら過ごしていました。退院後、うちの子は倦怠感が強いんですけれど倦怠感といってもそれまで私が経験してきた倦怠感と違うので、そういった病気や症状を知ってもらう機会や当事者と周りの人たちに向けて、リアルな情報を発信していきたいと思っていました。
子どもが思春期を終えてママ大変だったんだろうねと言ってきたこともあり、同じ境遇の人たちが話せる場があるといいねという話を副代表にして、2021年12月に会を設立しました。親御さんの心配はやはり子どもの将来で、学校行けるのだろうか、受験できるのだろうかと、医療が進んでも悩みは変わらずなので、会では間違った情報で不安をあおることのないリアルな情報を発信しています。顧問をしてくださっている医師の方々のサポートもありました。
■小林董信基金の使途(活動内容)を教えてください
当事者と親の知恵や工夫を、より多くの現場へ届けたい
交流会を充実させるために会の周知、治療を頑張る子どもたちやその親御さんの知恵や工夫が伝わるサイトを作ろうと思っています。サイトを作りつつ交流会をして、そこで聞いた生の知恵や工夫をサイトに掲載して、また交流会をして、サイトを更新と両輪でまわしていきたいと思い、そのサイト作りと交流会の実施費用に使わせていただきます。
サイトができ、子どもたちがどんなことに困ったり、工夫したり、悩んだりしてるのかがわかると、関わり方や可能性とかも感じてくれるかなと思うので、子どもに身近な人たちに周知するため、全道の小・中、高等学校の保健室に会のパンフレットを送るのが確実かなと思い、その費用にもしたいと思っています。道内の小児科など今回の助成により多くの現場へ周知していきたいです。また、オンラインが苦手という方もいらしたので、できれば今年、旭川や札幌でリアル交流会もやってみたいねって話もしています。スタッフの人たちが勉強したいと言ってくれているので、スタッフ向けの研修会もしたいと思っています。
■1年後、自分自身の活動に対する希望はありますか?
当事者の意見をシェアし、まとめて発表していきたい
サイトが充実して、交流会開催とサイトの更新がうまくまわっていることが一番かな。その中で見えてくる課題に対して会でできることがあればいいなと思っているのと、当事者の子どもたちの意見をシェアできる場所をつくっていけたらいいなと考えています。1人でブツブツ言っているとクレームになっちゃうけど、みんなの意見としてあがってくるものをまとめて発表すると社会資源化できるかなと思うので、それを第一線で働いている人に届けることが大事だと思っていて、何かに役立てもらえるような活動を方向性として考えています。
私自身、見識が狭かったことで子どもの可能性を狭めちゃったかなと思っていることもあって、やはり幅広い見識を持つための情報共有や相談体制があったらいいと実感しているので、この先、そういった場所や機会ができたらいいと思っています。スタッフが家でもなくて、仕事でもなくてもう一つの場所として生き生きやっていることを話してくれるようにもなるといいなと思っています。
■現在、活動を進めるにあたって課題に感じていること、不安に感じていることは?
寄付での運営と会の将来的な継続が課題
会の活動と病気に対する周知が進んでないことと、私がやってることが多いので、他のスタッフに任せられるようにしていきたい。今私がやってる分にはそこまで大変じゃなく楽しくできていますが、将来的に会を継続していくために新陳代謝を進めるにはどうしたらいいかが課題です。
会には子どもたちだけでも参加できるようにしているので、気楽に参加してもらえ負担にならないように今は会費をもらっていません。活動を社会に浸透させて、定期的に寄付が集まり、寄付で運営していけるようにするにはどうしたらいいかの課題もあります。
■小林董信基金に対する期待
寄付・伴奏支援の継続と人・情報のつながりを
助成金をいただけるのはもちろん、伴奏支援がすごくありがたくて。何かを聞きたいときに誰に何をどこで聞いたらいいのかわからないことが多いので、寄付活動やスタッフ集めなども相談できるのがすごく嬉しいです。他の患者さんたちと繋がれるとか、支援活動の内容をお聞きできる場所がすごく限られているので、情報を得られることはすごい勉強になります。
慢性疾患とか同じような悩みがある人同士が繋がり、支える会も情報交換できることが必要なので、できたら北海道の中で小児に関わっている患者団体と繋がれたらいいと思っています。膠原病ってアレルギーといとこみたいな感じなので、アレルギーに詳しい人がいたら紹介してほしかったり、学校を休みがちな子や運動制限のある子たちの受け入れ態勢や理解を進めてもらうため、先生たちにも情報共有できる公の場があったらいいと思っています。
■寄付者へのメッセージ
治療を頑張る子どもたちの応援団でいてほしい
疾患を知ってもらい、治療を頑張りながら学校や社会生活を送ろうとしてる人たちがいるってことをまず知っていただく、そのためにもうちの会は子どもたちの応援団じゃないといけないと思っていますので、その方々への応援としてご寄付をいただけたらとてもありがたいと思っています。
病気を抱えながら過ごしていく人たちが、誰にも遠慮せず恋愛も結婚も進学も就職もできるように、社会全体でそう思ってくれる人たちがたくさん出てきたら嬉しいなと思っていますので、これからも応援をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。