連載 まちのプロジェクト基金を振り返る~その1寄付募集に挑む

2020年2月1日

北海道NPOファンド事務局 高山大祐

北海道NPOファンドとしては初の試みとなる事業指定型寄付助成プログラム「まちのプロジェクト基金」の第1期が終わり、これを書いている19年11月現在は、第2期へ向けた話し合いを続けているところです。HPでもご覧いただけます通り、寄付募集の結果は旭川地区が目標達成、札幌地区が目標未達成という結果になりました。私は事業担当者として、ネット参加も含めて、2団体の寄付集めミーティングにすべて参加していましたので、寄付募集期間の振り返りとして、いくつか論点を挙げてみます。

1)結果は事前に予測可能であったか?

旭川地区の成功は、団体のみなさんと支援者のみなさん、そして旭川伴走チームの頑張りの賜物ですが、寄付額自体はどのくらいになるかはもちろん、寄付集めの成否も事前の話し合いの段階では分かりませんでした。一方札幌地区の団体は、メディア掲載歴もあり、数多くの支援者の存在や潜在的な支援者候補の名前があがり、目標到達は決して不可能ではないと思われました。ですから、今回の2プロジェクトに関しては、事前に成否や寄付金額を精度高く予想するということは困難ではなかったかと思いますし、実際に事前の予測にはばらつきがありました。
伴走側としては、想定外の事態への対応が重要ではないかと思われました。当初考えていた通りに進まないとか、ちょっとした事故が起きるということは大いにありうることですから、軌道修正のために何ができるかを迅速に考えなければならないと感じます。
寄付募集が始まる前に、プロジェクト内容および申請団体の現状の分析の精度を高めることは、寄付募集計画を立てる上で必要なことですが、行けそうだと思われても、どのようなアクシデントが起きるかもしれず、伴走側がそうした事態に即応できるかどうかも大事と思います。

2)北海道NPOファンドと北海道NPOサポートセンターの力を活かしきれたか?

会報誌北海道NPO情報などにおける告知には、幸いにして多くの反応をいただき寄付もいただきましたが、北海道NPOファンドとしてもこれまで、寄付してくれた方がたくさんいますし、加えて20年近くにわたり200団体以上に助成をしており、北海道NPOファンドへの支援者・支持者との関係がしっかり築ければ、北海道・NPO・非営利・地域といった関心を持つ人たちにもっとこのプロジェクトをアピールできると思います。もっと大きな結果につながる可能性が北海道NPOファンド/北海道NPOサポートセンターにはあると思っています。

第2期は、以上のような点を考慮し、「一団体が単独でクラウドファンディングを行う以上のことが得られる」とか「まちのプロジェクト基金でしか得られないものがある」と言えるようなものにしたいと思っています。道内各地の協力団体/協力者の存在やぶれずに続けてきたこれまでの活動に、採択団体の思い、オリジナリティなどが加われば、それも不可能ではないのではないかと思います。このプログラムは、団体および社会に変化を起こしたい方におすすめです。お気軽にお問合せください。

まちのプロジェクト基金