「越智基金の終了」選定委員 佐藤隆 (北海道NPOサポートセンター顧問)  2024年越智基金・市民活動支援基金助成に寄せて

2024年9月10日

越智基金の終了

選定委員 佐藤隆 (北海道NPOサポートセンター顧問)

1999年の第1回配分が23団体、177万円ではじまり、以降配分は500団体を超え、金額は34,621,600円となり、今回でその役割が終わろうとしています。
元札幌地区労議長の越智さんが、上田文雄弁護士に遺贈寄付を託された日本で初のNPO基金でした。
ひとつの団体当たりの金額は少ないものですが、PCやプリンターの購入には役立ち、まんべんなく配分された感があるのは、手前味噌ではないと思います。
全国に先駆けて発足したNPOバンクとも連携し、NPOの道具立てがそろい始めたのが25年前ですね。
第1回目の23団体のうち現在も13団体が活動しているようです。当時はベンチャー企業以下の支援環境の中で、良く生き残ったものとおもいます。ベンチャー企業の生存率は10年で6.3%、20年で0.3%となる中での数字に意味があると感じます。
ベンチャーは利潤を追求しほとんどが失敗し、NPOは地域社会への貢献を求めてかなり生き残っていますね。地域インフラとしての役割があることを表しているとおもいます。
宇沢弘文さんが社会的共通資本を「特定の地域に住む人々が、豊かな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会と美しい自然を持続的、安定的に維持することを可能とする社会的装置」と位置付けています。NPOはまさに社会的共通資本の一部となって弱い立場の人々を守っています。行政との関係では「委任、委託」ではなく「信託」という言葉がふさわしいのではないでしょうか。
越智基金はNPOファンドへ引き継がれて行きます。引き続きご支援ください。

 


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