休眠預金等活用法助成の実際(2)~北海道NPOファンドの取り組み

2023年4月1日

北海道NPOファンド 理事 高山

北海道NPOファンドは、2020年度21年度、北海道NPOサポートセンターおよびコープさっぽろと連携体制を組んで、「子ども若者が主体の持続可能な地域づくり(2020年)」「地方における学習・能力向上機会の拡充による選択格差の解消(2021年)」に取り組んでいます。

休眠預金等活用法助成の特徴として、事業ごとに取り組む社会課題を設定し、いかに取り組むかを計画に盛り込むことを挙げることができます。「子ども若者が主体の持続可能な地域づくり(2020年)」では、北海道の地域における担い手不足、若者の流出に対して、高校生以上の子ども・若者の主体性を活かすこと、そして地域において主体性を活かした活動の受け皿をつくることを目指しました。そして「選択格差の解消(2021年)」においては、若者層の流出から生じる機会格差、とりわけ非認知能力に関わる体験格差に着目して、小中学生年代を中心に非認知能力向上の取り組みを行い、また地域ぐるみの連携体制を築いてその取り組みを継続することを目指しています。

まったく異なる課題に取り組む団体もあるなかで、私たちは、人口減・流出、子ども・若者分野という近接の課題に取り組むことを目指しています。理由の一つは、2020年度の公募において、この課題に取り組む北海道の団体の関心の高さがあり、意欲ある団体が多いのであれば、一段と掘り下げた助成ができるのではないかと考えられたためです。

 

地域を題材として、主体性を発揮できる環境で育った子どもたちは、将来的に地域の魅力を活かした担い手となったり、あるいは関係人口として地域に関わる存在となってくれるという仮説のもと、2020年度は、高校生年代の地域の担い手を創出することを主たる狙いとしており、2021年ではさらに若い年代を対象に、昨今特に重視されている「非認知能力」の向上を意図したプログラムを実施します。それぞれ3団体が集中して取り組むことで、事業の狙いが明確なものになり、2つの事業の成果は、小学生から高校生・若者年代までをカバーして北海道の地方における子どもたち若者たちの主体性を地域で受け止めるヒントになることが期待されます。北海道NPOファンドは、休眠預金等助成事業の資金分配団体としてこれら6団体の活動を支援し、その成果を広く波及する役割を担っています。私たちは、これからもオール北海道で地域の課題に取り組めるよう努めたいと考えています。

(北海道NPO情報4月号に掲載)


北海道NPOファンドの休眠預金助成事業


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