参加報告 「支援現場のリアリティと「客観性の落とし穴」」~大阪大学村上靖彦先生をお招きして~

2024年8月14日

2024年6月7日金曜日、北海道NPOサポートセンターとNPO推進北海道会議総会の日に、特別セミナーとし開催された「支援現場のリアリティと「客観性の落とし穴」」に推進会議の理事・事務局として参加しました。村上靖彦先生は、現象学的な質的研究を専門とされ、大阪西成の子ども支援の現場を研究されました。村上さんから発表いただいた後、推進会議理事の田口晃さんと村上さんの対論の時間になりました。

語り手の経験と実践の内側に視点を取るという言葉の通り、関わるそれぞれの人の固有な経験、そこから見えてくる人間関係や社会構造を描き出すことについてお話ししていただきました。これらはNPO活動の現場では、頻繁に出会うもので、そこに目を向けお話しを聞くことで、活動のヒントも見つけられるのではないかと思います。
この日は、個別の経験を深く掘り下げるまなざしに触れることができ、NPOの活動現場の本質を垣間見たような気がしました。市販されている本もたくさんありますので、ご関心ある方はぜひご一読ください。

●講師紹介/村上 靖彦(むらかみ・やすひこ)さん:
1970年、東京都生まれ。基礎精神病理学・精神分析学博士(パリ第七大学)。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授・感染症総合教育研究拠点CiDER兼任教員。専門は現象学的な質的研究。著書に「客観性の落とし穴」『ケアとは何か』(中公新書)、『子どもたちのつくる町』(世界思想社)、『在宅無限大』(医学書院)、『交わらないリズム』(青土社)などがある。

休眠預金等活用法の助成事業の評価においても質的データは頻繁に活用されます。インタビュー/ヒアリング、グループインタビュー、フォーカスグループディスカッション、ワークショップ、直接観察などが手段としてよく用いられます。質的データを、量的に扱う手法などもあり、音声や動画など活動の記録を取っておくと後後、評価のデータとして活用できることがあります。

質的なデータは、どうしても恣意性がつきまとうため、利用を躊躇う方もいらっしゃると思いますが、自団体の活動のための評価であれば、学術的な厳密さがなければ無効になるというわけではありません。自らの目で見て、直接的に話を聞くということは、さまざまな考察の基礎になるもので、数を重ねればそれだけ、物の見方も話の聞き方も熟練度が高まっていきます。

社会的インパクト評価等にご関心のある方は、北海道NPOファンドまでお気軽にお問合せください。

北海道NPOファンド理事/NPO推進北海道会議理事 高山


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