非営利団体の評価

2024年4月15日

北海道NPOファンド 理事 高山大祐

北海道NPOファンドでは、2018年から、助成事業を通じて、いわゆる社会的インパクト評価などの事業価値の評価に取り組んできました。日本郵便年賀寄付金助成では、3年にわたり助成を受けてモデル事業を実施、延べ9団体に社会的インパクト評価を行ないました。

先日、そのときの団体の事務局長とお会いして、「2020年以来いまも社会的インパクト評価を続けている、同じ活動分野の他の団体も影響を受けたようだ。北海道は他と違いますねと言われる」と伺いました。団体の中に積極的な方がいると、それを事業改善に活用して、自分なりにやり方を改善することにつながるようです。

北海道NPOサポートセンターやNPO推進北海道会議としての取り組みは2015年ごろから始まっていますから、8年以上、非営利団体の評価に取り組んでいます。
社会的インパクトというときは、内閣府の定義では、
短期、長期の変化を含め、当該事業や活動の結果として生じた社会的、環境的なアウトカム※ということになり、それを定性的・定量的に評価するのが社会的インパクト評価になります。

これをいかにして活用するかといいますと、以前のセミナーで使ったリード文ですが、「1つの事業を実施することにより、受益者アンケート結果や直接聞く当事者の声、事業担当者の経験に至るまで数多くのデータが得られます。これらをNPOの本来の活動目的に活用するのが社会的インパクト評価の考え方です。データの効果的な活用には、ロジックモデルなどを用いて、事業設計をしっかりと行い、何を目指してどのような成果を出したいかを明確にすること」が大切です。

1つの事業は実にさまざまな関係者の関わりによって成り立っています。それらの関係性を読み解き、どこに好影響が現れ、どこに反発や悪影響が現れているか、そうしたことを明らかにし、今後の事業活動に活かしていくところに社会的インパクト評価の意義があり、特に人や人間関係の比重が高い非営利活動分野においてはとても役に立つ手法だと思います。

休眠預金等活用法においては、社会的インパクト評価の実施は制度上必要とされており、しっかり経費もつけられますが、制度上の要請がなくても、冒頭の方のように事業運営に活用できる手法です。北海道NPOサポートセンター、北海道NPOファンドでは、非営利団体評価についてのご相談もお受けしています。お気軽にお問合せください。


※アウトカム(Outcome)」: 組織や事業のアウトプットがもたらす変化、便益、学びその他効果
「アウトプット(Output)」: 組織や事業の活動がもたらす製品、サービスなど


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