情報公開(社会的居場所を核とした働き方と暮らし方の共生の実現)

事業趣旨と選定過程

事業趣旨

我が国においては、人口減少、高齢化の進展等の経済社会情勢の急速な変化が生じており、国民生活の質や水準への影響等、様々な社会課題に直面しています。また、近年の気候変動の影響に伴う自然災害の頻繁な発生や新型コロナウイルスによる社会経済活動への負の影響が国民生活にさらなる困難をもたらしています。2022年においても新型コロナウイルス感染拡大の影響は続いており、生活上の困難を抱える人々は増え、行政では対応困難な社会課題が山積しています。一方で、こうした社会課題の中には、法制度や予算等の仕組み上、行政の執行になじみにくく、既存の施策では十分な対応が困難であり、国及び地方公共団体では対応が困難な課題が多くあります。
これらの社会課題の解決に資するため、10 年以上入出金等が確認できない預金等について、預金者等に払い戻す努力を尽くした上で、民間公益活動を促進するために活用することとした「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(平成 28 年法律第 101 号)」(以下「法」という。)が、平成 30 年(2018年)1月1日に全面施行されて4年が経過しました。
一般財団法人日本民間公益活動連携機構(以下「JANPIA」という。)は、同法に基づく指定活用団体として、民間公益活動を行う団体(以下「実行団体」という。)に対して助成を行う資金分配団体について、2022年度の通常枠公募を実施し、認定NPO法人北海道NPOファンドが資金分配団体の一つとして採択されました。

採択事業名 社会的居場所を核とした働き方と暮らし方の共生の実現~地域コミュニティにおける障がいのあるLGBTQの受容を目指して

・事業種別:草の根活動支援事業
・解決すべき社会の諸課題(3つの領域)(8つの諸課題):
1) 子ども及び若者の支援に係る活動
② 日常生活や成長に困難を抱える子どもと若者の育成支援
2) 日常生活又は社会生活を営む上での困難を有する者の支援に係る活動
④ 働くことが困難な人への支援
その他、就労可能な年齢の障がいを抱えたあるいは抱えている可能性のあるLGBTQの方々を対象として、彼らの就労機会の創出および、地域社会における理解と共生の実現を目指す活動

事業概要

【背景】
障害のある性的マイノリティ当事者は、社会制度の狭間で救済されず、また地域社会での充分な理解が得られないことにより、日常的に孤立し困難を抱えており、一面的な対処では対応が困難である。コロナ禍では数少ない当事者同士の交流の場が開催されなかったり、家庭のストレスが高まることで家族間の関係性が悪化したりと、生活圏内に安心できる居場所を失うことにつながっている。また、性的指向や性別違和の自覚の時期は、小学生~高校生という思春期と重なる。加えて、未だに分離教育が中心の日本においては、学齢期のみならず地域社会における障害への理解はなかなか進んでいない。周囲の無理解や偏見に接することで、不登校やいじめ、自己否定や自殺念慮につながる可能性が高い。
【内容】
①相談窓口の運営、②社会的居場所の開設と運営、③当事者の職場探しや悩み相談に応じられる体制づくり、④企業へのダブルマイノリティ雇用に関わるコンサルティング・相談対応、⑤成果波及・アドボカシー活動
【目的・目標】
障害のある性的マイノリティ当事者が、平常時/非常時に左右されることなくつながれる「居場所」となる場所が確立され、安心して働き続けられる職場環境を維持することにより、精神的な居場所と経済的な安心感を居住地域で確保できるようになることを目的とし、実行団体の活動地域において、何かあっても孤立しない居場所を持ち、安定した収入もあることで、自分の暮らす地域で平時/非常時に関わらず安心して社会生活を送り続けられることを目指す。また、行政や企業へ働きかけ、教育現場や企業、家庭内において、多様性を認め合う価値観の醸成や「共に生きる」ことについての理解を進め、当事者を取り巻く環境の改善につなげる。そして、各地の当事者団体をエンパワーし、道内の主要な都市において、生活や就業について相談できる窓口や居場所の開設が加速されることを期待する。

実行団体に期待する活動

1)障がいのあるLGBTQの方が生活や仕事の悩みを相談できる体制をつくり、事業開始後おおむね1年以内に相談窓口を開設する
2)事業期間終了までに、障がいのあるLGBTQの方が通いやすい恒常的な居場所を整備する。具体的には
・物理的居場所づくりに向けたハードの点検と整備(トイレなどのユニバーサルデザイン化)
・物理的居場所でのLGBTQの受入れに向けたスタッフのスキルアップ研修
の実施

3)障がいのあるLGBTQの方が安心して働ける職場を見つけることの支援、および職場の悩み相談を受ける活動

4)事業期間内に当事者の視点を活かして、障がいのあるLGBTQの就労に関して企業にコンサルティングをする活動を開始する (人事へのアドバイス、ガイドライン作成、上長への助言など)

5)成果の波及・アドボカシーとしての活動

中長期目標

事業終了後に、実行団体の活動地域において、LGBTQが平常時/非常時に左右されずにつながれる「居場所」となる場所が確立され、安心して働き続けられる職場環境も維持することで、精神的な居場所と経済的な安心感を居住地域で確保できるようになる。

選定過程

ワークショップ開催 2023年4月29日(オンライン)
公募受付開始 2023年5月8日
締切 2023年6月30日
第2回ワークショップ兼公募説明会 2023年5月29日(オンライン)
第1回選定会議 2023年7月25日(オンライン)
第2回選定会議 2023年8月9日(オンライン)

選定委員会

選定委員(肩書きはすべて当時のもの)
・永易 至文氏:NPO法人パープルハンズ事務局長
・三木 真由美氏:NPO法人室蘭NPO支援センター理事長 ※選定委員長
・出町 勇人氏:社労士
・吉田 清美氏:NPO法人旭川NPOサポートセンター理事
・播磨 英一氏:一般社団法人さっぽろイノベーションラボSDGs部会長

選定の流れ

1.書類審査会(オンライン)
・選定委員により申請書類を事前採点
・当日、事前採点結果に基づき、1件ずつ協議,事務局ヒアリング結果の報告と、申請書の読み込みおよび疑問点の抽出
・プレゼンテーション審査会に進む団体を決定
2.プレゼンテーション審査会(オンライン)
・1団体ずつ、発表10分、質疑応答5分を設け審査
・5団体のプレゼンテーションが終了後、選定委員で採点表に基づき再度採点。採択するべき団体を協議。
・当法人理事会に推薦する団体3団体および助成額を決定

<選定基準>
・ガバナンス・コンプライアンス 5点
・事業の妥当性 15点
・実行可能性 7点
・継続性 8点
・先駆性(革新性)3点
・波及効果 5点
・連携と対話 7点
合計50点満点。

助成額の算定根拠

申請団体提出の事業計画書、資金計画書に基づき算定しています。

採択団体  PDF

申請団体一覧 PDF

 

 

 

●お問合せ/北海道NPOファンド <佐藤・橋本・高山・中西>
info@hokkaido-npofund.jp
TEL:011-200-0973  FAX:011-200-0974