連載『まちのプロジェクト基金』を振り返る~その3 『孤立しない』ための支援者研修

2020年3月25日

佐藤綾乃・北海道NPOファンド運営委員/NPO運営サポートあの屋代表

「あの屋」では、 ”本来のミッション”に集中できる環境づくり』をミッションに、NPOのバックオフィス支援など運営改善の「きっかけづくり」をお手伝い。旭川を拠点に、活動を展開中!

2日目意見交換の様子。写真右奥に講師としてお呼びした河合将生さん
2日目意見交換の様子。写真右奥に講師としてお呼びした河合将生さん

2018年10月から開始した助成プログラムづくり。先進事例視察、事業計画、組織診断、寄付募集、事業評価と、目まぐるしく過ぎていった1年間の最後に、伴走支援者・伴走ファンドレイザーをテーマとした研修を旭川にて開催しました。
『まちのプロジェクト基金』は、”「助成する力」を高める”ことを目的とした助成事業を受け開発したプログラムですが、もう一つの大きな目的が「北海道における支援者コミュニティづくり」です。昨今、助成プログラム等において、非資金的支援となる伴走型支援を行うプログラムが増えてくる中で、この2日間の研修を、団体支援における伴走支援とはなにか、支援者に求められる姿勢の理解などを深めると共に、広大な北海道において支援者が“孤立しない”関係づくりの機会としました。

メイン講師に、大阪を拠点にNPOの組織基盤強化やマネジメント支援のコンサルティングを行っているoffice musubime代表の河合将生さんをお迎えし、全道各地からNPO支援者ら12名に参加いただきました。また、一部プログラムを公開セミナーとし、伊藤健さん(ソーシャルバリュー・ジャパン代表)を講師にお迎えし「社会的インパクト・マネジメントセミナー」を開催し、こちらには旭川市内近郊、釧路・小樽からもご参加いただきました。
*研修詳細・プログラムはこちら https://npoproject.hokkaido.jp/news/823.html

NPO支援において、必要なスキルとはなにか、資質とはなにか。多くの経験や専門的知識に基づく講義や、実際に伴走支援を経験した団体担当者の声、日々地域の中で活動する団体と接する皆さんからの声を聞き、あらためて『人』が関わることの意義について考える機会を得られました。

コンサルティングやファシリテーション、ファンドレイジングの知識やノウハウは、研修会や書籍、様々な形で得ることはできます。専門的知識の裏付けによって得られる安心感はありますが、やはり信頼関係をどのように構築していくかが、なにより大切です。距離の保ち方、時間軸のとり方、声の掛け方、どんな言葉を使えば届くのか……伴走支援のあり方に正解は無く、特定の型も無く、関係性の質を上げたり、深めたりしながら、お互いの納得感や結果を共有することを積み重ねることが必要です。また、研修の中では、福祉における対人援助や、ケースカンファレンスなど、何十年も前から当たり前に行われてきたことが、NPO中間支援や伴走の現場に活かされているということに、あらためて気付かされました。

現在の北海道においては、中長期的な計画を実施団体と一緒に考え、支えるための人材も経験値も、多くはありません。今後、『まちのプロジェクト基金』はじめ、様々な支援メニューの中に、複数名の支援者が関わるチームでの伴走や、事例検討など、支援者が“孤立”せず、互いに支え合う場づくりを進めていきたいと強く思っています。

*伴走支援者・伴走ファンドレイザー研修は、NPO法人市民社会創造ファンド「2018年度市民ファンド推進プログラム」の助成により、社会的インパクト・マネジメントセミナーは、社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI)及び一般財団法人社会的投資推進財団のご協力により開催しました。

まちのプロジェクト基金